暮らしのヒント

私が介護をしている義母は、アルツハイマー型の認知症です。少しずつ症状が進行するにつれて、暴言や暴行も増えてきました。

義母はとても小柄でかわいらしい女性で、80歳を過ぎてもデニムを着ておしゃれにも気を使っていました。性格が穏やかだった義母も、最近では認知症のおかげで悪口を言うようになっていました。

聞いたことのないような言葉を言い始めた時は、「どうしてそんなことを言うようになってしまったの?」と悩んだこともありました。初めの頃は、その悪口に心が折れていましたが、今はストレスも少なくなっています。

介護で認知症患者の独り言や悪口に困っている方へ、私なりに工夫をしてきた対処方法をお伝えします。

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家族や介護者に対する悪口を言う場合の対処法

介護者に対する悪口は当たり前のように出てきます。それは、認知症の症状の一つで、理性が保てなくなってしまうからです。

義母のパターン

義母は私に対しても、「どうでもいい!」「本当にうるさいやつだ」「あんたなんか知らない!」などと強めなトーンでいろいろと言ってきます。ご飯の時間ではないのに「食べたい」と言われ、「まだ時間じゃないから、もう少し待とうね」と言っただけで、悪口を言われることもあります。「私にここから出て行けと言うのか!」など被害妄想も入り、自由がきかなくなると、介護者の方が悪者だという態度を示してきます。その後は、「ごめんなさい」「私はみんなを困らせてばかり」と泣きながら訴えてくるのです。

義母の場合、最後には反省しているような言葉をかけてきますが、「本当に私がそんな事言ったの?」「私、どうしちゃったんだろう」と、言っても知らん顔をしているのか、覚えていないのか私にはわかりませんでした。この症状は毎日で、それはまるでDV(ドメスティックバイオレンス)のようなサイクルで繰り返されます。毎日となると、介護している側も感情のコントロールを狂わされる感じで、非常にストレスがたまります。

冷静になって気付いてあげることが一番の対処法

介護する私も、その都度感情的にならないように、日頃から対策を考えています。悪口が始まった頃は、義母がわざと悪口を言って知らないふりをしているのだと疑いました。しかし、悪口を言う時には、欲求がたまっていたり、体調が悪かったりすること多いことに気が付きました。

義母の態度が悪い時は、他に訴えたいことがないか、体調を崩していないかを確認するようにしています。無くなった財布が見つかっただけで、悪口を言わなくなったり態度が穏やかになったりすることもあります。心配事があると、感情のコントロールができなくなるのは分かるのですが、物忘れのひどい症状がある認知症では、生活のほとんどが心配事なのです。そのため、その心配事をできるだけ減らすような努力は必要になってきます。

悪口も謝罪の言葉も被害妄想な言葉も、義母の心の声だとは思いますが、私自身はあまり真に受けないように気を付けています。それよりも、肯定するように接して、義母に起こっている一番の問題を解決する方法を選んだ方が、火の粉が飛んできません。おかげで、今はだいぶ楽になりました。

家族以外への悪口を言う場合の対処法

家族以外への悪口は、大きなトラブルに発展する可能性があります。早めの対処法で、家族までもがトラブルに巻き込まれないように先手を打っておく必要があります。

義母のパターン

義母の悪口は、初めは陰口程度でしたが、人がいても独り言のように悪口を言うようになっていきました。耳が遠いこともあり、他人には聞こえていないと思っているのです。もっと理性がコントロールできなくなってくると、所構わず大きな声で言うようになるでしょう。

家族以外への悪口は、家族への悪口よりも後に現れました。大きく体調を崩した時やストレスがかかった時には、所構わず言うようになりました。目の視点が合わないぐらい興奮している時もあれば、ボーッとした目で淡々と言い続ける時もあります。脳に影響が出ていることがわかるくらいの表情です。

義母の場合、介護施設の職員にひどいことを言ったこともありました。初めての介護施設で不安になったのか、「財産を全部取られた」「誘拐された」など、ありもしないことを平気で言うようになったのです。2,3日たったら忘れているかと思えば、急に土下座をして謝ってくることもあります。そして、1週間くらいたつと忘れてしまうといった具合です。

家族だからできる対処法

家族以外の人への悪口や暴言の方が強くて、正直に困ってしまいました。認知症患者の悪口は止めることができません。しかし、悪口が始まった時に、その症状を和らげることはできます。

話を聞いてあげる

訴えたいことがあっても、うまく表現できないのが認知症です。言葉も忘れがちなので、ゆっくり話を聞いてあげるようにしましょう。

落ち着かせる

慣れている場所へ行ったり、お茶を飲もうと声をかけたりして、落ち着かせる環境をつくりましょう。

気をそらす

昔の写真やお気に入りの物などを見せると、気がそれて落ち着くこともあります。話し相手をすることで、だんだん気をそらすのが一番です。興奮している時にテレビやラジオをかけて気をそらそうとしても、内容が把握できず、逆にイライラすることもあるので、好きな音楽をかけるくらいにしましょう。

とんぷく薬を服用する

義母の場合、強い症状が出た時や興奮してしまうかもしれないという時には、前もって薬を飲ませることもあります。ショートステイなど慣れない場所へ行く時は、掛かり付けのお医者さんと相談して処方してもらっているとんぷく薬を持たせるようにしています。しかし、副作用が気になるので、本当に興奮気味な時にしか飲ませません。

この4つの方法で、対処するようにしていますが、時には自由に悪口を言わせておく場合もあります。

家族以外の人に悪口を言うようになってしまうと、周りの人も驚いてしまうでしょう。そうなる前に、ご近所の方やよく行くお店の方には認知症だということを理解してもらうことが大切です。

「認知症は悪口を言う生きもの?!」のまとめ

認知症患者が悪口を言うようになるのは、本人のなかに何かしらの問題があります。そして、その原因と悪口の内容は、一致していないことが多いです。言われる度に気にしていたり、解決しようと躍起になったりしても疲れるだけなので、認知症という病気にはよくある症状だと気にとめないようにしましょう。

もし、認知症になった家族が悪口を言い始めたら、言わせておくか、ポジティブな言葉で話をまとめるのが一番です。止めることはなかなか難しいので、真に受けないことが一番なのですね。

認知症患者が悪口をいうのは、決して介護者のせいではありません。本来の性格とも違うので、周囲の人たちには隠すことなく、認知症でよくある症状だということを理解してもらいましょう。これだけでも、ストレスは軽減できますよ!

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