暮らしのヒント

認知症患者は食べたことを忘れて、「食事はまだ?」と繰り返すイメージが大きいですが、私の義母はその逆です。気になることや不安なことがあると気を取られ、食事を食べないことがあります。

食事の食べ忘れは、薬の飲み忘れにもつながるので、どうにか食べていただきたいところですよね?でも、無理に食べさせるわけにもいかないから悩んでしまいます。

食べない理由は人によって違うので、一筋縄にはいきませんが、できるだけストレスがたまらないように私がやっている解決法をご紹介します。

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認知症になるとなぜ食べないのか?原因を探る

注意力が散漫になっている可能性

我が家はこの可能性が一番大きいです。

義母が食事を食べないのは朝が多く、じっくりと観察してみると、何ごとも不安でたまらないように見えます。

週4回でデイサービスに通うようにしていますが、出かけるまでの時間、「今日の日付」「どこへ行くのか」「何時に行くのか」「迎えに来るのか」「準備するものは何か」の5項目を、何度も繰り返し聞いてきます。

毎日、紙に日付や行く場所やお迎えの時間などを書き、見やすいところに貼り出していますが、それも信じません。何度も見て、声を出して読んでも、不安そうに「どうしよう」と言いながら家の中を徘徊(はいかい)します。

荷物の準備も何度もやり直しています。そんなことを繰り返しているうちに、朝ごはんを食べるという作業を忘れてしまうのです。

我が家ではまず、日時・場所の紙を書いてもらいます。それができたら朝ごはんの時間という流れを作っています。日程が分かると少し安心するようで、「準備はごはん食べてからにしたら?」と声をかけると、素直に食べてくれます。

私も朝は一緒にゆっくりご飯を食べてあげられないので、1人で食べることも多いです。夫(息子)と一緒に食べられないと泣き出すこともありますが、デイサービスに行かなければいけない事を納得させ、どうにか食べてもらっています。

これは我が家の例ですが、家の外で徘徊(はいかい)したり家に帰りたがったり(自分の家なのに)、認知症の症状はさまざまなようです。本当は、一緒に付き合ってあげるのが一番なのでしょうね!こちらにも仕事があるので、そこまでの余裕はありませんが…。

体調不良が関係している可能性

子どもと同じで、認知症になると自分の体調不良を周りの人に伝えることはできません。

風邪やインフルエンザによる発熱だったり、便秘が続いていたり、体が痛かったりと、さまざまな可能性があります。この他にも、高齢者にありがちな入れ歯の問題であったり、虫歯が進行していたりという口の中の問題もあります。

飲み込み(えん下)が困難になったり、本人にしか分からない精神的な問題があったりも考えられるので、日々の観察は怠れません。

家族だと「どうして食べないの?」という気持ちが勝ってしまい、つい感情的になってしまうこともありますが、デイサービスの職員やケアマネジャーさんアドバイスをいただいてハッとすることもよくあります。

この場合、どんな体調不良があるのかをこちらから質問して探るしか方法はありません。場合によっては、受診の必要性も出てきます。「余裕がないと介護ってできないな」とつくづく思いますね。

薬のせいで食べられない可能性

認知症薬には、食欲低下や吐き気などの副作用を起こすものがあります。人によって副作用の出方は違うので、食べられる人は食べられます。

どんな対策をしても食べないという場合は、薬の副作用の可能性が高いので、主治医に相談して対応を考えた方がいいでしょう。

我が家の場合は全く食べない日はなく、薬の副作用は少ないと考えられます。全く食べないというようなことが起これば、遠慮せずに相談しようと思っています。

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食べ物を認識できていない可能性

義母は食べ物の認識はできているので、可能性としては低いのですが…。

認知症が進行してしまうと、目の前にある料理が一体何なのかを認識できなくなるそうです。また、視力が悪かったり、白内障が進んでいたりすると、色味のないものは食べ物として認識されず、食べなくなってしまう可能性も!

私たちは、茶色い料理であっても“おいしい”と認識しているからこそ手を付けますよね?認知症になると“おいしい”という認識もなくなり、さらに食べ物として認識できないから、そもそも食事だとは思ってもらえないのです。

大好物だったものであっても認識できないので、具体的に「お父さんの好きなサバの塩焼きですよ」とか「お母さんの好きな豚の角煮ですよ」などと声掛けをする必要があります。

食べ方が分からない可能性

認知症は、今まで当たり前にできていたことができなくなる病気です。当然ながら、食べるという行為そのものも忘れてしまいます。

目の前にあるものが料理だと分かっていたとしても、「箸を使うのか、スプーンを使うのか、フォークを使うのか」が分からなければ食べられませんよね?結果的に手でつかんで口に入れてしまうなんてことも!

これは、子育てと同じだと考えた方がいいかもしれません。学習しないので子どもとは違いますが、自分からお手本を見せたり、具体的に「これは箸を使って食べます」と教えたり、食事の時間ごとに教える必要があります。

おなかが空いていない可能性

運動量がガクンと減るので、私たちに比べると空腹感を感じるまでのスパンが長いことも考えられます。

おなかが空いていないのに料理を出されて、「なんで食べないの?」と言われたら、私たちは「おなかが空いていないから」と答えられます。でも、認知症になると、おなかが空いているのか空いていなのかすら分からないので、おなかが空いていないようであれば無理に食べさせる必要はありません。

高齢者になると、食欲のある人でも1日に2食しか食べないという人もいます。栄養バランスだけ気を付けていれば、「問題なし」と考える方が介護もしやすいです。

我が家の場合は、週4回のデイサービスがあり、そこで食事をする日は夕飯を拒否することがあります。何も言わないので分かりませんが、おなかが空いていないのでしょうね。準備だけはしますが…。

ただし、どうしても服薬が必要な場合は、何か食べやすいものを口にしてもらい、服薬をする流れを作りましょう。

終末期が近い可能性

こればかりは、素人には判断がつきません。

私たちは、生きるために食べるという行為をしますが、それ以外にも誰かと食事をする楽しみやおいしさを感じる楽しみもありますよね?

終末期となれば、認知症とは関係なく、単純に体が受け付けない状態になっている可能性が高いです。

全く食べない状態であれば、受け付けられるもの(水やジュースなどでもOK)を口にしていただく以外に方法はなくなるでしょう。

この可能性が高い場合は、勝手な判断をすることなく、主治医に指示をもらい、他の家族とどのように死を迎えるのかを話し合っておく必要があります。

食事の記録で「食べない」を解決

ご飯を食べさせるのにも一苦労の毎日が続き、介護ストレスも感じます。気性の激しい行動はイラッとしてしまいますが、朝の作業ができるかできないかも、義母のバロメーターだと考えるようにしています。

介護ストレスの我慢→怒ってしまう→自己嫌悪を繰り返し、正直言って食事を準備するのが憂鬱(ゆううつ)になることもしばしばです。「食べてくれなかったら嫌だな…」「栄養状態が悪くなって認知症が悪化しないかな?」などと深みにハマることもあります。

この悪循環から抜け出すために私が取り入れたことは、食事の記録を書いておくことです。記録といっても、自分だけが分かればいいので、難しく考えることはありません。簡単な日記のようなものです。

  • 食事の回数
  • 食べたもの・食べないもの
  • 食べた日・食べなかった日の機嫌や天候

など

気持ちに余裕のある日だけでもいいので、思ったことを一行でも書いておくと、その頃に何があったのかが分かります。予測がつくようになると介護が楽です。

記録をするとちょっとしたストレス解消にもなりますし、気持ちの整理にもなるため、ケアマネジャーさんや主治医にお話しする時に正確な情報を伝える手立てになります。

食事の記録は何を食べたかをチェックできるので、少しでも食べられているうちは、「まともな食事は一食や二食を抜いても大丈夫!」くらいの気持ちになれます。

「認知症だとなぜ食べない?」のまとめ

いくつかの原因を取り除くことで、“食べない”から“食べられる”に変化することもあるので、結果的に介護者のイライラは軽減できます。

認知症には段階があます。「何が食べられるのか?」をチェックしておき、ケアマネジャーさんや主治医などに相談しながら解決策を見いだしていきましょう。

できることは一つではありません。自分にとってやりやすい方法を取り入れ、できるだけストレスフリーな状態を作り、余裕のある介護をしていきたいものですよね!

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この記事を書いた人

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